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8to2 竹内公太による福島第一原子力発電所事故関連記事
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注)「福島第一原発の体験」の記事はあくまで私個人の体験と印象です。
 のべ数万人とも言われる作業員の方々それぞれが異なる体験と印象を持っておられると思います。
 情報が不足する中で、私のケースを全体の印象とお取り違え拡散されることのないようお願い申し上げます。
 
 私は免震棟内で後方支援的な作業を行っていました。滞在期間は2011年8月のひと月足らずです。ですから私の見た光景は全体のごく一部であり、浅い理解に過ぎません。
 より高線量の建屋で作業される方や、私とは全く異なる滞在宿、雇用条件の方が大勢おられます。
 
 
■福島第一原発での体験1
4月下旬からハローワークのウェブサイトで福島第一原発関連の仕事を探し始めた。検索キーワードは「原子力発電所」「双葉」地域絞込みは福島県を選ぶ。しかしなかなか応募条件に合うものが見つからない。放射線管理手帳所持者(原発での勤務経験を有するもの)向けの求人、玉かけや配管、溶接の技術がある人向けの求人は多いが、私はそのどちらも持っていない。未経験可の求人でも運転免許が必要なものが多い。
5月上旬に千葉の派遣会社の40名募集という求人が見つかり、ようやく応募した。しかしこの会社は募集はしているものの「政府が安全性のガイドラインを示さないのでなかなか仕事に入ってもらえない」と電話口で言う。それならなぜ求人を出したのかと疑問に思う。
この頃は周囲に「原発に行こうと思う」「実際行かなくても、行く前提で調べてみると色々勉強になる」等話していたが、ある日年上の方と話す機会に原発の求人を探していることを伝えると、とても強く止められた。特に仕事もせずぷらぷらしてる自分が原発に働きに行くことはさほど不自然なことではないのではないかと思っていたが、私の年齢(当時28)で被ばくすることは、特に年上の方にとっては辛いものなのかもしれないと気づく。(実際免震棟では20代の若者は少なくも無かった)。気軽に「原発行ってきます」と相手にいうことの暴力性を自覚し、以後はあまり人に話さないようにした。また、「嫌になったら多少強引でもすぐ帰る」という方針を固めた。
7月上旬F県A社の求人に応募し面接へ行く。が、前日まで悩んでいて気が進まず、社長のちょっとこわもての顔を見て逃げたくなった。被ばく上限250mSvに引き上げという話だが冗談じゃない、自分の上限は10mSvとする。おそらくもっと上の数字を言われるだろうから、そこで面接終了だ、それで帰ろう。帰るんだ。そう思ってたら社長からは「新人さんに高線量被ばくさせるわけにはいきません。上限は年度末までで10mSvです」と言われ、その場で思いっっきり悩んでしまった。この社長が駅から事務所までの車内でmSvとμSvの単位換算など5回くらい言い間違えつつ、「ようわからんけど大丈夫ですわ。そのくらいは。」と言っていたことを思い出す。そんな私の顔色を見た社長は「…えーと、確かに怖いと思うから、怖かったら無理せずにお願いね、現場まで言ってやっぱり帰るっていうのが一番困るから、うん」と促す。「すみません、辞めときます…」 駅まで送ってもらう。事故の収束に向けて働いておられる方に目の前で断る罪悪感に苛まされる。
しかしほっとする気持ちも確かで、この3ヶ月よく悩んだし、まあ、もういいだろと思っていた矢先、海江田大臣(当時)の不適切発言ニュースがあった。怒りがこみ上げてきて、別のB社の求人を見つけたので、また応募した。面接は同じくF県まで行ったが、別の会社なのに何故か先日お断りしたA社の社長がいた。社長同士友人で、もともと原発内清掃関連の仕事を請け負っていたA社長が、今回の事故を機に友人のB社に仕事を回しはじめたということだった。上限は15mSvに変わったが、働くことにした。
その時聞いた印象的な言葉。別の応募者の面接をしつつ、A社長「(履歴書を見て)え? ○○さん法学部出てはるの? ええ~頭ええ人ですか うち頭ええ奴はとらんのですわw。そういう人、後から条件がなんのかんの言うてくるでしょう? かなわんのですわ。 ○○さん大丈夫ですか?」結局その方も採用していた。
指定の病院で電離放射線健康診断を受けて帰宅。
 
(続く)
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プロフィール
HN:
竹内公太
性別:
男性
自己紹介:
元作業員の視点から何か有意義な記事が書けないだろうかと思い、東京電力さんの記者会見にときどき参加しています。(働いたのは8月の短い間だけです 免震棟の出入り管理で、比較的被曝量の少ない、後方支援のような仕事です 現場で今も高線量被曝しながら懸命に作業されている方々に最大限の敬意を持って、記事を書きたいと思います。
ライター経験は無いので読みづらい点もあるかと思いますが宜しくお願いします。
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