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細野大臣、園田政務官の現場視察の動画
http://www.tepco.co.jp/tepconews/library/movie-01j.html
↑すみません、お手数ですが「報道配布動画」タブをクリックしてご覧ください。
 
前日の冷温停止状態宣言、工程表ステップ2完了を受けて
細野原発担当大臣、園田政務官による12月17日に福島第一、第二原発を視察、挨拶、懇談会が行われました。

・福島第一原子力発電所訪問挨拶(細野大臣・園田政務官)(2011年12月17日撮影)
この動画の中で細野大臣は冒頭、
 
皆さん自身が大変傷ついておられる中で、この事故への対応にみなさんが専念をしなければならない状況というのは本当に辛かったろうという風に思います。みなさんのがんばりがなければここまで来ることはできませんでした。国民の皆さんも良くそれをわかっています。世界もそのことを知っています。是非みなさんは胸を張ってそのことを周りの皆さんにお伝えをいただければと思います。
 
というように述べています。細野大臣もこう言っているのですから、せめてJヴィレッジにもっと取材を入れて、作業員の方の生の声でインタビューなど報じてはどうかと思うのですが。

今から振り返りますといくつか私の中に反省点がございます。そのひとつというのが、作業員の方の環境をよくすることにもっともっと早い段階から取り組めば良かったと、そういう反省でございます。3月の時点で私は既に気がついておったんです。みなさんが本当に苛酷な環境でやっておられるのだということを。そしてその時に、当時所長をやられていた吉田さんにお話して、もう少し環境を良くしたので、どうだろうかという話をしたことがございました。その時吉田所長からこういう答えが返ってきました。今は東京電力の作業員のことを考えるのではなくて、被災者の皆さんの待遇を少しでもよくすることに専念をしてもらいたい、そういう話が3月にありました。それはおそらく当時の皆さんの思いだったのではないかという風に思うんです。ただ当時私が例えば吉田所長に対して、「いいや、皆さんの待遇を良くすることが大事なんだ」ということで押し切っておれば、もう少し早く待遇を良くすることができたんではないか、そんな反省を、実は、私はしております。4月のあたりから、皆さんの中から、もっと作業員の待遇を良くするべきだという声が出てまいりました。そういった声に突き動かされる形で、もちろん東京電力も努力をいたしました、政府としても皆さんをバックアップをしようということでやってまいりました。
 
確かに当時の混乱の中、事故を起こした企業としての責任がありますから、難しい問題ではあります。しかし吉田所長も葛藤なされたことかもしれませんがはそれを言って良い立場なのかは少し疑問です。事故収束は東京電力だけでなく関連会社含め所長以外に多くの方が関わることなので。(ご本人がいない場での細野大臣の発言ですが。)

政府として様々なバックアップをしていくことは約束させていただきます。そしてそのなかで、待遇の問題についても東京電力の方には強くお願いをしております。この1Fで働く作業員の皆さん、東京電力の民さんはもちろんでありますけれども、関連会社の皆さん、関連企業の皆さんも含めて、皆さんがここでがんばっていただける、そういうですね、手当ては出していただけるように、要請は既にしております。そしてもちろんそれは単にお願いするだけではなくて、政府として皆さんを財政的な、それこそしっかりと共同歩調でやっていくということで、機構(?)がございますから、機構(?)からの人件費をこちらに寄せるという考え方ではなくて、みなさんの待遇を安定化させるためには政府としてしっかりそこはバックアップをしていく、金銭的にもバックアップをしていくという体制についても整える準備をしています。
 
東京電力の記者会見で私はこれは具体的に誰にどのような要請があったのか聞きましたが、現時点で回答は得られていません。



また園田政務官の挨拶では

(略)…国民の皆様方や世界の皆様方にしっかりと見て評価をしていただきこれだけ皆様方が事故に向かって突き進んでいったんだと認識していただければありがたいと思っております。そしてそのことは誰よりも私ども政府が身近で見、そしていつもいつもテレビカメラを通じて皆様方とともに今日まで事故の収束に向かっての活動をしてきたとしっかりと証明できると思っております。

と述べています。身近で、現場とともにやってきたかどうかは有権者向けのアピールであって、現場の方に強く言うことではないと思います。
 
全世界に対して皆様方の英知と力をお示しする番ではないかと思います。当然、細野大臣とともに、私たち政府も、現場の皆様方とともに、いつでもここに駆けつけさせていただく所存ですし、また、皆さんとご一緒に、世界に対して、日本という国がこういう国難からしっかりと立ち上がっていくんだというところを皆さんとご一緒にお示しをしてまいりたいと思います。なにとぞお体だけにはお気をつけていただいて、私どもとしてもできる限りのことは精一杯やらせていただきます。なにとぞ健康と、そしてご家族の、皆さん方の、これからも、愛して、そして、慈しんでいただきながら、この日本国の接線(?)のためにどうぞお力をお貸しいただきたいと思います。本当にありがとうございましたし、これからもよろしくお願いをいたします。

政府の方は応援メッセージの書かれた国旗を背に「世界に向けて」「胸を張って」と大きな事を言って鼓舞しようとしています。私は政治家に言われないと持てない誇りは誇りでないと思います。閉ざされた現場のオペレーションルームで、世界的にすごいことなんだよというのは誇りではなく慰めになってしまわないでしょうか。世界の前に国内に向けてもっとアピールすればそれだけで当たり前の感謝と敬意が集まり、世論が動き、待遇改善も進むと思います。
 

・福島第一原子力発電所懇談(2011年12月17日撮影)
細野大臣、園田政務官、東京電力社員4名、関連企業社員3名による懇親会の動画です。
最後の方で細野大臣が「政府にこれだけを言っておきたいこと、ありませんか?」の質問に南相馬市出身の若い方がカンペを見ながら3点答えています
 
・避難準備区域解除、解除と除染の順番がおかしくないですか?
 区域の解除などは除染の計画を立ててから行って欲しい
 
・放射性物質との共存をしていかなくてはいけない状況で
 事故の教訓を後世に伝えるために、今を生きる日本国民全員が正しい知識をもつ、
 そのための環境づくりをしてほしい
 
・夢物語ですがガンダムのように国家プロジェクトとして廃炉に役立つロボットを開発して欲しい
 
冒頭で細野大臣の方から「東京電力、関連会社の社員全員の待遇を良くするために資金的なバックアップをする」と言ってますから、改めてそれについて言うのもはばかられる事と思います。吉田所長の3月の時点での細野大臣への、今は被災地を優先して、との言も含めて、私はそれが危険な美学に依らないかが気にかかります。金のことは言わないで、何らかの犠牲があっても仕事をやり遂げる、というのは美しいことではありますが、ともするとそれは政府や私たちに「感謝」「敬意」を担保にそうした美学に甘えさせかねないからです。
 
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プロフィール
HN:
竹内公太
性別:
男性
自己紹介:
元作業員の視点から何か有意義な記事が書けないだろうかと思い、東京電力さんの記者会見にときどき参加しています。(働いたのは8月の短い間だけです 免震棟の出入り管理で、比較的被曝量の少ない、後方支援のような仕事です 現場で今も高線量被曝しながら懸命に作業されている方々に最大限の敬意を持って、記事を書きたいと思います。
ライター経験は無いので読みづらい点もあるかと思いますが宜しくお願いします。
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