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8to2 竹内公太による福島第一原子力発電所事故関連記事
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10月2日の会見後、マスメディアへの福島第一原発敷地内への取材拒否について
東京電力栗田隆史広報部長に個人的に伺ったところ、
大人数取材陣が殺到すると作業通行に支障が出るとおっしゃられました。

免震棟内の通路の大きさは今後も変わらないので、その理屈ではいつまでたってもメディアは入れないと思います。
抽選で順番を決めて少人数ずつ取材させてはどうかと聞きましたが、それは不公平になるとおっしゃられました。
しかしたとえ順番的に不公平であっても敷地内取材を希望するメディア関係者全員が抽選に了解すれば取材は可能ではないか。

個人的に私は現状で可能な免震棟内取材ツアーのプランを考えています。

●各社2人ずつとして計6人を東電社員2人が付き添って2時間だけ案内する。
 これなら一日4回で12社24人、3日で36社72人が取材できる計算になる
 Jヴィレッジ~免震棟を往復する車は2台で足りるでしょう。

●線量のこともありますから2時間は主に免震棟内にいてもらう。
 ただし2時間のうち20分だけ免震棟外に出て、
 ふくいちライブカメラの辺りから建屋を眺めることができる(20分以内)

 これで一人当たりの総被ばく線量は多く見積もっても約0.20mSvは超えないと思います。
   (私は8時間免震棟内に勤務してγ線線量値0.13~0.17mSvであった。
    また指差し作業員はサーベイマップ上0.3mSv/hの地点に20分程度立ち続け、
    加えて免震棟滞在約1時間で線量計の数値は0.13mSvであったという→参照

 免震棟外から建屋を眺める2人には東電社員1人が付き添い、残る4人は免震棟内で待機する。
 東電社員が付き添えば免震棟内の取材も可能でしょう。

●各社2人ずつとして計6人という数字の根拠
 私が勤務していた時に免震棟一階で吉田所長が来客を迎える場面を見たが、5,6人の団体様だったと記憶しています。
 また、私は毎日7,8人のチームで行動しておりました。
 マイクロバスを降りて免震棟に入り、線量計を借りるあたりはこの人数で行動しています。
 会社ごとに行動しますから7,8人がぞろぞろ固まって歩くのはいたって普通の光景であります。
 また作業員の方が朝免震棟に来られる時は20人ほどがいっせいに出入り口に入ることが何度も何度もありますが、出入り口管理の作業員は難なくこれを捌きます。
 また特定場所の作業から帰られた建設系の会社の方が20人ほど、一日になんども身体サーベイに並ぶこともありますが、
 これもごく日常的な光景です。


このツアープランはいかがでしょうか。
きれいにまとめて提出し東京電力さんに具体的にどこにどう問題があるのか教えていただきたいと思っています。
精査して問題のないプランができれば、
メディアの方々に抽選による順番で構わないのか記名式でアンケートしてもらいたいです。

いろいろと制限はある取材になりましょうが、それでも免震棟内にどういった方が出入りしているか見られるのは良いことだと思います。
着替え場所が広い通路を兼ねておりますので、どなたかの刺青の背中がちらりと見えるかもしれませんが、
刺青=現職の暴力団関係者とは限らないですし、またたとえそうであったとしても
日本の安全がどなたに支えられているのか、ありのままの姿を私たちは皆知るべきだと思います。
社会の暗部の様々な問題は問題ではありますが、
実際に放射性物質の拡散を防ぐためにあの場で懸命に汗を流す限りにおいて、
私はあの場にいるどなたをも肯定したい気持ちです。
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会見で答弁される聡明な方々は、しばしば答弁内容の論理がおかしいことなど百も承知でしょう。
会見には出ずに、百も承知で言わせてる上層部の方々がいるのです。
ぜひそういった想像力をもって当記事をお読みください


東京電力さんはご都合に合わせて人間を数字に置き換えて~というようなことがよく聞かれますが、
私は数字というよりは物理現象に置き換えているような気がします。
「線量計をつけずに作業した事実があったか」の調査をするのに、一部の人に記名式のアンケートを行い、
その回答をもって全体の事実と認定する。
部分統計をもって全体の事実を認定するという方法が物理や化学といった分野で有効なのは、
分子が嘘をつかないからです。
↑この説明だけだとピンと来ないでしょう。会見での以下のやり取りをご覧ください。


東京電力は7月の海江田元大臣の、線量計を置いて作業を行った作業員についての発言を受けて
3月の緊急作業で100mSvを越えた作業員で現在も働いている人、各作業班長、を対象に
8月15日~9月15日に記名式アンケートを行い、231人(うち東京電力76人)の回答を得た(回答率100%)
 ・緊急作業の際に故意に線量計を携帯しないといった事実を見たり相談を受けたりしたことがあるか
 ・緊急作業の際に故意に線量計を携帯しないよう指示、助言したか
アンケート結果では、事実を見た人も相談を受けた人も指示も助言もなかったという。
これを受けて東京電力は現場の人が線量計無しで作業を行ったということはなかったとしている。
「事実確認取れなかった」のではなく、「そういう事実はなかった」と結論付けた。

朝日新聞の杉本さんの質問
Q.  調査対象を絞った理由は?
A.  原因の背景に限度線量を超えると働けなくなるというリスクがあったため
Q.  正確性を期すならば作業員全員にすべきでは?
A.  作業員全員に聞かなくても概ねわかると思います

フリー木野龍逸さんの質問
Q.  3月にしぼらずそれ以降についても調査すべきでは?
A.  まずは3月の調査をすべきと考えました
Q.  海江田大臣にどういう経緯で伝わったか把握しましたか?
A.  していない、する予定もありません


竹内公太(私)からの質問
Q.  辞めた方含めて全員にアンケート取る予定は?
A. 今のところ計画はないが、こういった問題がまた起これば事実として確認されればやる
Q.  事実として確認するために調査するのですよね??
A. はい、事実として認められませんでした
Q.  より正確性を期すならば、とおっしゃいましたが、これで事実と言えるという事ですか
A. 事実として把握されていないということです
Q.  線量計をおくというようなことはあったとしてもごく少数のことなので、概要をさらっても事実確認と言えないのではないですか?
A. 一定の信憑性はあると思います
    元請企業、一次請け企業の作業班長にいきわたるようアンケートを実施したので事実確認したと思います
Q.  作業班長は一次まででカバーできるのですね?
A.  二次もある場合もあると聞いている、基本的には作業班長に渡るように、とお願いしているのでほぼ行き渡ったんだと思います


共同通信服部さんからの質問
Q.  記名式ですと「私が指示しました」ということは考えにくい 保安院から実態を把握するために工夫するように言われましたが
A. 無記名ではその後の実態調査が進まないので記名式でお願いしました
  真実を述べにくいのではないかという意見は保安院さんの方からも指摘がありましたので
  今後の調査の際には工夫して行きたいが現時点では具体的な計画というところまでは決まっておりません
  東京電力でも内部通報制度を持っており、保安院さんでの申告制度もあります

竹内公太(私)からの質問
Q.  内部申告制度匿名での通報の仕組みというのは企業倫理相談窓口のこと?
A.  そうです
Q.  免震棟にもJヴィレッジにもそういった掲示物はありませんでした。事実確認お願いします。


※私は個人的に企業倫理相談窓口を知りましたが、それは東京電力のサイト内の
 このリンク先見ていただければわかると思いますが、
 いろいろとご大層な文句は並んでいますが、肝心の連絡先はどこにも見当たりません。
 わからないのでエコーシステムに電話しましたがつながらず、カスタマーセンターにかけてようやく
 企業倫理相談窓口の連絡先がわかりました。



フリー木野さん
Q. アンケートの回収に9月15日までかかったのはなぜ?
A. 中身の確認に時間がかかった
Q. 事実確認取れていないのに次の計画がないというのは?
A. 今回のアンケートから、そうした事実はないと考えている
Q. 記名式なので把握できないという可能性もあると先ほどおっしゃいましたが?
A. そうした懸念はありますが、嘘をついているとは思わない
  やり方、時期等検討する必要があり、すぐに調査する計画はない
Q. 先に無記名でやるべきでは?事実の確認を第一に考えるなら
A. 事実を確認するために記名式にしました。

竹内公太(私)の質問
Q. アンケートで嘘をつかないという根拠は何ですか?
A. 嘘をつかれることを前提に調査していません。



会見で答弁される方々は、この論理がおかしいことなど百も承知でしょう。
会見には出ずに、百も承知で言わせてる上層部の方々がいるのです。

福島県いわき市湯本駅付近で福島第一原発作業員の方に短い時間でしたがお話聞けました。
・原発に来てまだ6日目、水処理作業に従事
・被ばく量は3~6mSv/日
・契約時に上限25mSvと決めた
・前職の会社が倒産したとき、失業したが雇用保険があったので早めに一ヶ月以上の就業実績を作りたかった
・つまり最低一ヶ月この仕事を続けたいが、現在の被ばくペースでは難しい
・雇用主は一ヶ月は働ける、被ばく限度になればJヴィレッジの掃除の仕事を用意する、と言ったがそれも本当に用意できるのか不安だ
 (筆者が見た限りではJヴィレッジ内は女性の方がよく掃除機をかけておられたが…)
・原発の仕事に関しては雇用保険もない。これから社長と交渉するつもりだ。

先日の東京電力の発表で、9月29日午前10時30分ごろ水処理作業中にホース内の水がマスクにかかり、
マスクを脱ぐ時に口元に放射性物質が付着した疑いがあったのでWBCを受けたケースがありました。
そのことについてたずねましたが、この作業員の方はそうした件があったこと事態お知りではありませんでした。
この方が就業されるのと同時期に、同作業と思われる場所であったことと思うのですが、
なぜこの作業員の方はこのことを知らされていないのでしょうか。

週刊文春にライターの鈴木智彦さんによる記事が掲載されています。 鈴木さんは暴力団関連のルポなどの著作のある方で、 今回は7月から福島第一原発で一ヶ月以上働いたことを記事にされています。 以前別の媒体の記事を読みましたが、今週から週刊文春で短期集中連載されるようです。 現場のことが非常に丁寧かつ詳細に書かれているように思います。 私も読んでいて、あー、あったあったと膝打つものがあります。 また自分の知らない勤務場所の話は勉強になります。 個人的に興味深いのは、過去の取材で面識のある暴力団関係者のルートでは就職てきず、そうでないツテで就職された点です。 鈴木さんの記事にも暴力団関係者がいたとの証言はありますし、 私もそうした話は会社の方から聞いたり、肩から背中の入れ墨を見たりしましたが、 現場のほとんどの方は組織とは関係ない方だと思います。 興味ある方は読んでみてください。
何点か質問しました

■ 管理区域内のマスメディアへの取材制限について
Q.  10月2日の会見後に栗田広報部長に伺ったところ、大人数で移動することは作業通行の妨げになる、
  また少人数で順番を決めて取材させると不公平になると聞きましたがこれは東京電力さんの見解ということでよろしいでしょうか。
A. マスメディアの現場取材については現在検討進めています。
  人数を絞って回るですとか、大人数でもバスから降りずに回るなど検討中です。

Q. 順番の不公平さは取材実現の障害にはならないということでしょうか
A. 日々現場も変化しております、また皆さんに見せる場所の要望に沿うかどうかも、
  色んなケースが考えられるので慎重に判断したいと思っております。

Q. 要望ですが、視聴者、国民の皆さんにとってはどのメディアが早いかはあまり関係が無く、
  とにかく知りたい情報かと思いますので、是非早く実現して欲しいと思います。

Q. 個人的に取材受け入れのプランを考えたので提出させてください。
A. (寺澤さん)そのプラン通りに行くとはお約束できませんが、ご意見として承ります。

会見後、寺澤さんに↓を見せて説明申し上げました。

shuzaiplan01.png説明文はこちら(過去記事)

(寺澤さん)
この通り行くかと言うと色々とまだ問題はある、入域手続きや除染、WBCなどの時間も考慮しなくてはなりません。
免震棟内が取材可能かどうかは難しい、可能だとしても例えば撮影もどの角度なら良いのかなど精査に時間はかかります。
免震棟の作業通行に支障があるかは私も現場で仕事をしていないからはっきりとはわからないですが

※寺澤さんは中越沖地震の際に柏崎刈羽原発内をメディアに案内してらっしゃったそうです。


Q. 東京電力内の健康面、メンタル面での相談窓口の相談件数が事故以降増えたのかどうか
  去年の同じ期間の数字との比較を教えていただきたい。
A. どういった回答ができるか含めて検討します。

Q. Jヴィレッジ、1F敷地内での健康面での相談件数も教えていただきたい。
  内訳もわかればお願いします。
A. 怪我、傷病は公表していますが、単なる健康相談については統計を取っているかも含めて調べておきます。




私の現場取材のプランは色々と制限がありますし、私が勝手に考えた案ですので
他のメディアの方が納得されるものでもないとは思います。
しかし私はメディアの方の安全や被ばく量、作業の支障にならないこと、
また日々の変化がすくない場所というと免震棟内部とその周辺をとりあえず見てもらうくらいが
現実的な妥協点であるとは思っています。

今回は、東京電力さんの「検討」がどの程度進んでいるのか確認したかったこと、
何が障害となっているのか明らかにしたかったので案としてお見せしました。
現段階で東京電力さんは「何をマスメディアの方々に見せるのか」を検討している段階だそうです。
免震棟のどこからどこまでなら良いのか、建屋の周りを回らせるだけで納得してもらえるのか、など
話し合っていただいているのかなと推測しています。
つまり具体的なコースや受け入れ人数やの「どう見せるのか」の話し合いには至っていません。

東京電力さんとしては中途半端に公開しても「なぜこれだけしか見せないんだ!」
と追及されるのが目に見えているから公開範囲を精査しているのだと思いますが、
私は何か都合の悪いものを隠しているという不信感を払拭するためにも、
「できる範囲で公開する」方向にシフトした方が良いと思います。
それが4月の段階で青山繁晴さんにお見せした範囲とそう変わらないものであったとしても、
半年たった今の状況を確認することも意味があることだと思います。
 
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プロフィール
HN:
竹内公太
性別:
男性
自己紹介:
元作業員の視点から何か有意義な記事が書けないだろうかと思い、東京電力さんの記者会見にときどき参加しています。(働いたのは8月の短い間だけです 免震棟の出入り管理で、比較的被曝量の少ない、後方支援のような仕事です 現場で今も高線量被曝しながら懸命に作業されている方々に最大限の敬意を持って、記事を書きたいと思います。
ライター経験は無いので読みづらい点もあるかと思いますが宜しくお願いします。
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