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会見で答弁される聡明な方々は、しばしば答弁内容の論理がおかしいことなど百も承知でしょう。
会見には出ずに、百も承知で言わせてる上層部の方々がいるのです。
ぜひそういった想像力をもって当記事をお読みください


東京電力さんはご都合に合わせて人間を数字に置き換えて~というようなことがよく聞かれますが、
私は数字というよりは物理現象に置き換えているような気がします。
「線量計をつけずに作業した事実があったか」の調査をするのに、一部の人に記名式のアンケートを行い、
その回答をもって全体の事実と認定する。
部分統計をもって全体の事実を認定するという方法が物理や化学といった分野で有効なのは、
分子が嘘をつかないからです。
↑この説明だけだとピンと来ないでしょう。会見での以下のやり取りをご覧ください。


東京電力は7月の海江田元大臣の、線量計を置いて作業を行った作業員についての発言を受けて
3月の緊急作業で100mSvを越えた作業員で現在も働いている人、各作業班長、を対象に
8月15日~9月15日に記名式アンケートを行い、231人(うち東京電力76人)の回答を得た(回答率100%)
 ・緊急作業の際に故意に線量計を携帯しないといった事実を見たり相談を受けたりしたことがあるか
 ・緊急作業の際に故意に線量計を携帯しないよう指示、助言したか
アンケート結果では、事実を見た人も相談を受けた人も指示も助言もなかったという。
これを受けて東京電力は現場の人が線量計無しで作業を行ったということはなかったとしている。
「事実確認取れなかった」のではなく、「そういう事実はなかった」と結論付けた。

朝日新聞の杉本さんの質問
Q.  調査対象を絞った理由は?
A.  原因の背景に限度線量を超えると働けなくなるというリスクがあったため
Q.  正確性を期すならば作業員全員にすべきでは?
A.  作業員全員に聞かなくても概ねわかると思います

フリー木野龍逸さんの質問
Q.  3月にしぼらずそれ以降についても調査すべきでは?
A.  まずは3月の調査をすべきと考えました
Q.  海江田大臣にどういう経緯で伝わったか把握しましたか?
A.  していない、する予定もありません


竹内公太(私)からの質問
Q.  辞めた方含めて全員にアンケート取る予定は?
A. 今のところ計画はないが、こういった問題がまた起これば事実として確認されればやる
Q.  事実として確認するために調査するのですよね??
A. はい、事実として認められませんでした
Q.  より正確性を期すならば、とおっしゃいましたが、これで事実と言えるという事ですか
A. 事実として把握されていないということです
Q.  線量計をおくというようなことはあったとしてもごく少数のことなので、概要をさらっても事実確認と言えないのではないですか?
A. 一定の信憑性はあると思います
    元請企業、一次請け企業の作業班長にいきわたるようアンケートを実施したので事実確認したと思います
Q.  作業班長は一次まででカバーできるのですね?
A.  二次もある場合もあると聞いている、基本的には作業班長に渡るように、とお願いしているのでほぼ行き渡ったんだと思います


共同通信服部さんからの質問
Q.  記名式ですと「私が指示しました」ということは考えにくい 保安院から実態を把握するために工夫するように言われましたが
A. 無記名ではその後の実態調査が進まないので記名式でお願いしました
  真実を述べにくいのではないかという意見は保安院さんの方からも指摘がありましたので
  今後の調査の際には工夫して行きたいが現時点では具体的な計画というところまでは決まっておりません
  東京電力でも内部通報制度を持っており、保安院さんでの申告制度もあります

竹内公太(私)からの質問
Q.  内部申告制度匿名での通報の仕組みというのは企業倫理相談窓口のこと?
A.  そうです
Q.  免震棟にもJヴィレッジにもそういった掲示物はありませんでした。事実確認お願いします。


※私は個人的に企業倫理相談窓口を知りましたが、それは東京電力のサイト内の
 このリンク先見ていただければわかると思いますが、
 いろいろとご大層な文句は並んでいますが、肝心の連絡先はどこにも見当たりません。
 わからないのでエコーシステムに電話しましたがつながらず、カスタマーセンターにかけてようやく
 企業倫理相談窓口の連絡先がわかりました。



フリー木野さん
Q. アンケートの回収に9月15日までかかったのはなぜ?
A. 中身の確認に時間がかかった
Q. 事実確認取れていないのに次の計画がないというのは?
A. 今回のアンケートから、そうした事実はないと考えている
Q. 記名式なので把握できないという可能性もあると先ほどおっしゃいましたが?
A. そうした懸念はありますが、嘘をついているとは思わない
  やり方、時期等検討する必要があり、すぐに調査する計画はない
Q. 先に無記名でやるべきでは?事実の確認を第一に考えるなら
A. 事実を確認するために記名式にしました。

竹内公太(私)の質問
Q. アンケートで嘘をつかないという根拠は何ですか?
A. 嘘をつかれることを前提に調査していません。



会見で答弁される方々は、この論理がおかしいことなど百も承知でしょう。
会見には出ずに、百も承知で言わせてる上層部の方々がいるのです。
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プロフィール
HN:
竹内公太
性別:
男性
自己紹介:
元作業員の視点から何か有意義な記事が書けないだろうかと思い、東京電力さんの記者会見にときどき参加しています。(働いたのは8月の短い間だけです 免震棟の出入り管理で、比較的被曝量の少ない、後方支援のような仕事です 現場で今も高線量被曝しながら懸命に作業されている方々に最大限の敬意を持って、記事を書きたいと思います。
ライター経験は無いので読みづらい点もあるかと思いますが宜しくお願いします。
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