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8to2 竹内公太による福島第一原子力発電所事故関連記事
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■ 東京電力によりますと9日午後福島第一原発内で協力企業作業員1名が体調不良を訴え、緊急医療室に運ばれた後に心肺停止状態であったことから福島県内の病院に搬送されました。
 
搬送された方は60代の男性でコンクリート打設作業においてホースの筒の先を持ちコントロールする作業中に気分が悪いと訴えられ、5,6号緊急医療室へ担架で運ばれた時点では意識は無く、心肺停止していため緊急措置をしましたが容態に変化が見られず、救命措置の継続をしながら急患移送車でいわき市立総合磐城共立病院へ搬送されました。現在病院で治療中。
医療室にて他の作業員による手サーベイで、放射性物質の付着は確認できなかったということです。

なお勤務日数や被ばく線量、作業との因果関係など詳しい状況は明日以降発表される見通しです。

<1月10日追記>
この方は5月22日から勤務なされて、累積被ばく線量は外部被ばくで6.08mSv、内部被ばくはホールボディカウンター総計0.01mSv、協力企業によると健康診断で特に問題は無く、朝のミーティングでも体調の悪いとの申し出は無かった。
土木建築業務については36年のベテランだそうです。

<1月11日追記>
11日協力企業からの連絡があり、この方は1月9日17:02に死亡、死因は急性心筋梗塞ということでした。(11日夕刻の東京電力会見より)
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細野大臣、園田政務官の現場視察の動画
http://www.tepco.co.jp/tepconews/library/movie-01j.html
↑すみません、お手数ですが「報道配布動画」タブをクリックしてご覧ください。
 
前日の冷温停止状態宣言、工程表ステップ2完了を受けて
細野原発担当大臣、園田政務官による12月17日に福島第一、第二原発を視察、挨拶、懇談会が行われました。

・福島第一原子力発電所訪問挨拶(細野大臣・園田政務官)(2011年12月17日撮影)
この動画の中で細野大臣は冒頭、
 
皆さん自身が大変傷ついておられる中で、この事故への対応にみなさんが専念をしなければならない状況というのは本当に辛かったろうという風に思います。みなさんのがんばりがなければここまで来ることはできませんでした。国民の皆さんも良くそれをわかっています。世界もそのことを知っています。是非みなさんは胸を張ってそのことを周りの皆さんにお伝えをいただければと思います。
 
というように述べています。細野大臣もこう言っているのですから、せめてJヴィレッジにもっと取材を入れて、作業員の方の生の声でインタビューなど報じてはどうかと思うのですが。

今から振り返りますといくつか私の中に反省点がございます。そのひとつというのが、作業員の方の環境をよくすることにもっともっと早い段階から取り組めば良かったと、そういう反省でございます。3月の時点で私は既に気がついておったんです。みなさんが本当に苛酷な環境でやっておられるのだということを。そしてその時に、当時所長をやられていた吉田さんにお話して、もう少し環境を良くしたので、どうだろうかという話をしたことがございました。その時吉田所長からこういう答えが返ってきました。今は東京電力の作業員のことを考えるのではなくて、被災者の皆さんの待遇を少しでもよくすることに専念をしてもらいたい、そういう話が3月にありました。それはおそらく当時の皆さんの思いだったのではないかという風に思うんです。ただ当時私が例えば吉田所長に対して、「いいや、皆さんの待遇を良くすることが大事なんだ」ということで押し切っておれば、もう少し早く待遇を良くすることができたんではないか、そんな反省を、実は、私はしております。4月のあたりから、皆さんの中から、もっと作業員の待遇を良くするべきだという声が出てまいりました。そういった声に突き動かされる形で、もちろん東京電力も努力をいたしました、政府としても皆さんをバックアップをしようということでやってまいりました。
 
確かに当時の混乱の中、事故を起こした企業としての責任がありますから、難しい問題ではあります。しかし吉田所長も葛藤なされたことかもしれませんがはそれを言って良い立場なのかは少し疑問です。事故収束は東京電力だけでなく関連会社含め所長以外に多くの方が関わることなので。(ご本人がいない場での細野大臣の発言ですが。)

政府として様々なバックアップをしていくことは約束させていただきます。そしてそのなかで、待遇の問題についても東京電力の方には強くお願いをしております。この1Fで働く作業員の皆さん、東京電力の民さんはもちろんでありますけれども、関連会社の皆さん、関連企業の皆さんも含めて、皆さんがここでがんばっていただける、そういうですね、手当ては出していただけるように、要請は既にしております。そしてもちろんそれは単にお願いするだけではなくて、政府として皆さんを財政的な、それこそしっかりと共同歩調でやっていくということで、機構(?)がございますから、機構(?)からの人件費をこちらに寄せるという考え方ではなくて、みなさんの待遇を安定化させるためには政府としてしっかりそこはバックアップをしていく、金銭的にもバックアップをしていくという体制についても整える準備をしています。
 
東京電力の記者会見で私はこれは具体的に誰にどのような要請があったのか聞きましたが、現時点で回答は得られていません。



また園田政務官の挨拶では

(略)…国民の皆様方や世界の皆様方にしっかりと見て評価をしていただきこれだけ皆様方が事故に向かって突き進んでいったんだと認識していただければありがたいと思っております。そしてそのことは誰よりも私ども政府が身近で見、そしていつもいつもテレビカメラを通じて皆様方とともに今日まで事故の収束に向かっての活動をしてきたとしっかりと証明できると思っております。

と述べています。身近で、現場とともにやってきたかどうかは有権者向けのアピールであって、現場の方に強く言うことではないと思います。
 
全世界に対して皆様方の英知と力をお示しする番ではないかと思います。当然、細野大臣とともに、私たち政府も、現場の皆様方とともに、いつでもここに駆けつけさせていただく所存ですし、また、皆さんとご一緒に、世界に対して、日本という国がこういう国難からしっかりと立ち上がっていくんだというところを皆さんとご一緒にお示しをしてまいりたいと思います。なにとぞお体だけにはお気をつけていただいて、私どもとしてもできる限りのことは精一杯やらせていただきます。なにとぞ健康と、そしてご家族の、皆さん方の、これからも、愛して、そして、慈しんでいただきながら、この日本国の接線(?)のためにどうぞお力をお貸しいただきたいと思います。本当にありがとうございましたし、これからもよろしくお願いをいたします。

政府の方は応援メッセージの書かれた国旗を背に「世界に向けて」「胸を張って」と大きな事を言って鼓舞しようとしています。私は政治家に言われないと持てない誇りは誇りでないと思います。閉ざされた現場のオペレーションルームで、世界的にすごいことなんだよというのは誇りではなく慰めになってしまわないでしょうか。世界の前に国内に向けてもっとアピールすればそれだけで当たり前の感謝と敬意が集まり、世論が動き、待遇改善も進むと思います。
 

・福島第一原子力発電所懇談(2011年12月17日撮影)
細野大臣、園田政務官、東京電力社員4名、関連企業社員3名による懇親会の動画です。
最後の方で細野大臣が「政府にこれだけを言っておきたいこと、ありませんか?」の質問に南相馬市出身の若い方がカンペを見ながら3点答えています
 
・避難準備区域解除、解除と除染の順番がおかしくないですか?
 区域の解除などは除染の計画を立ててから行って欲しい
 
・放射性物質との共存をしていかなくてはいけない状況で
 事故の教訓を後世に伝えるために、今を生きる日本国民全員が正しい知識をもつ、
 そのための環境づくりをしてほしい
 
・夢物語ですがガンダムのように国家プロジェクトとして廃炉に役立つロボットを開発して欲しい
 
冒頭で細野大臣の方から「東京電力、関連会社の社員全員の待遇を良くするために資金的なバックアップをする」と言ってますから、改めてそれについて言うのもはばかられる事と思います。吉田所長の3月の時点での細野大臣への、今は被災地を優先して、との言も含めて、私はそれが危険な美学に依らないかが気にかかります。金のことは言わないで、何らかの犠牲があっても仕事をやり遂げる、というのは美しいことではありますが、ともするとそれは政府や私たちに「感謝」「敬意」を担保にそうした美学に甘えさせかねないからです。
 

東京電力によりますと福島第一原発復旧作業に携わる関連会社の作業員の方が集団でノロウイルスに感染した疑いがあり、52名に下痢・嘔吐の症状が出てうち3名からノロウイルスが検出されました。また一名が入院中であり、その他の方々は宿、自宅で療養中です。
協力会社から地元の保健所に報告し、感染経路などを特定するため調査され、また東京電力の産業医の指示でJヴィレッジにある全面マスク数千個を次亜塩素酸ナトリウムで消毒しているとのことです。

全面マスクはもともとアルコール系のティッシュで拭いて消毒し、使いまわしています。各作業員も大抵手に取るときにも傍らに置かれたウエットティッシュで拭いてから装着されています。今回のノロウイルスの飛散範囲はまだはっきりわかりませんが、全面マスクを全て、改めて消毒するのは必要な措置だと思います。これに加えて、Jヴィレッジや免震棟など、感染された方が使用した可能性のある施設のトイレや食堂、ドアノブやてすりなどを消毒することが有効かと思います(私が会見でそのように提言しました。)
現在Jヴィレッジには各入り口に手を拭くためのアルコールが設置されています。こうした衛生面の対策は万全を期するに越したことは無いでしょう。
東京電力会見にて
作業員の方の冬の対策、改めてもう少し聞きなおしました

■ 下着について

Q. 作業員の方の冬用の下着について、綿製のものを用意しているとのことでしたが、これはもう運用されていますか?
A. はい
Q. 実物をこの場に持ってきていただいて拝見したいのですが。
A. 綿製といっても普通のシャツです。
Q. では特別冬用でも防寒でもないのですね?
A. はいそうです
Q. カイロは使用可能ですか?
A. 可能です。

結局それは防寒用でなくただのシャツだということだそうです。普通のシャツは夏にも見ました。
基本的な防寒は作業員の方が自前で用意するということのようです。

※コメント欄で質問書いていただいた方ありがとうございました
 
■ インフルエンザ予防接種の進捗状況について
Q. 何人くらいに接種されましたか
A. 細かい数字は確認が必要ですが、3000人くらいは越えたかと。
Q. 12月12日から人数限定制になるとの話も聞きますがこれはどういうことですか?
A. おそらく予約が必要になるといった話だと思われますが、今後の運用については確認します。

↓知人が撮影してくれた画像です。
現在消毒用アルコールが出入り口にあるそうです
jv1202.jpg











新規登録した作業員はこうした健康調査票を提出するそうです
jv1201.jpg

 
 
■ 被ばく線量と個人情報
昨日11月28日に発表のありました吉田所長の退任と入院について、東京電力では被ばく線量は個人情報なのでご回答いただけないとのことでした。
一方でこれまで作業中に体調を崩された方については病名等は伏せられているものの被ばく線量は公表されています。
 
例)10月27日作業中に体調を崩された方
  病名はプライバシーの関係から伏せる
  被ばく量については当日の被ばく量は0.21mSv、累積被ばく量は0.79mSv。
  
  10月5日に体調を崩され翌日お亡くなりになった方
  累積被ばく量2.02mSv。被ばくは死因に無関係とのこと。
   参照:「福島原発作業員が死亡…体調不良、事故後3人目」(2011年10月6日19時33分 読売新聞)
 
被ばく線量は個人情報のひとつですから基本的に秘匿されてしかるべきものですが公表されるケースもあり、東京電力さんの見解を確認する意味でいくつか質問しました。
 
Q. 匿名の作業員の方についてプライバシーに関わるから病名は伏せる、被ばく線量は伏せないという判断をこれまでしておられて吉田所長については被ばく線量を伏せる理由は何故ですか
A. 吉田個人が特定されているからです
 
Q. 被ばく線量は本来個人情報であるとして秘密保持として管理されています。にも関わらず体調不良、死亡時に公表するのはどういった理由からでしょうか?
  社会的に公益性のある情報であり、かつ、公表しても個人が特定されるものではないと判断されているからですか?
A. はい、そうです
 
Q. では10月29日のクレーン解体中のワイヤー落下事故で負傷された方の容態については公表を差し控えるのはなぜでしょうか?
  個人の特定には結びつかないと思いますが
A. ご家族の方からはっきりと公表しないようお願いされた
 
Q. 吉田所長の件、診断としては被ばくとの因果関係の有無は確定できないということですが、
   因果関係があった場合、被ばく線量が公表されることはありますでしょうか
   因果関係が無かった場合、被ばく線量が公表されることはありますでしょうか
   もちろんこれらの情報をご本人、ご家族が公表して差し支えないとおっしゃった場合についてですが
A. 現在お医者様の診察では最終的な被ばくとの因果関係は確定されていません。因果関係があった場合は公表させていただきます。
 
Q. 被ばく線量と個人情報の取り扱いについてどういった方針か理解するのが難しいのですが
A. 被ばく線量は基本的には個人情報ですから公表を差し控えるべき情報です。
  しかし労働災害や発電所内勤務で社会的に関心の高いことですから個人の特定に結びつかない場合に限って公開するというスタンスです。吉田所長の場合は既に個人名が出ているので今までとは違うということです。
 
12月9日追記
吉田所長の病名と被ばく線量が公表されました
 
プロフィール
HN:
竹内公太
性別:
男性
自己紹介:
元作業員の視点から何か有意義な記事が書けないだろうかと思い、東京電力さんの記者会見にときどき参加しています。(働いたのは8月の短い間だけです 免震棟の出入り管理で、比較的被曝量の少ない、後方支援のような仕事です 現場で今も高線量被曝しながら懸命に作業されている方々に最大限の敬意を持って、記事を書きたいと思います。
ライター経験は無いので読みづらい点もあるかと思いますが宜しくお願いします。
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