8to2 竹内公太による福島第一原子力発電所事故関連記事
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注)「福島第一原発での体験」の記事はあくまで私個人の体験と印象です。
のべ数万人とも言われる作業員の方々それぞれが異なる体験と印象を持っておられると思います。
情報が不足する中で、私のケースを全体の印象とお取り違え拡散されることのないようお願い申し上げます。
私は免震棟内で後方支援的な作業を行っていました。滞在期間は2011年8月のひと月足らずです。ですから私の見た光景は全体のごく一部であり、浅い理解に過ぎません。
より高線量の建屋で作業される方や、私とは全く異なる滞在宿、雇用条件の方が大勢おられます。
■ 福島第一原発の体験5
■ 福島第一原発の体験5
朝ひとりで寝ていたらA社長とB社長がいきなり来て何故か焦る。雇用条件通知書を持ってきた。
そしてそのまま部屋で新人の採用面接を始めた。一人目は1~2年の継続雇用の確約が取れないのがネックで帰った。あれ? 社長、年度内の累積被ばく量を30mSvに上げるというし、収束に10年ほどかかるから人手が足りないとかさっき言ってなかったっけ?
A社長曰く、「落とすために言い方工夫した」。現地面接で大変だなあと思った。2人目は採用。はんこ押していた。
社長のジョークはいちいちテンションを下げてくれる。「竹内くんは食事代差し引いて月3万円なwwうそうそww」
今日は14:45に旅館を出発し、Jヴィレッジ経由で1Fへ。明るい時間帯なので20km圏内の野生動物がよく見える。牛の群れ、黒ネコ、たぬきの死骸、うさぎなど。17時-25時の勤務、そして盆ということもあり現場に人は少ないようだ。若い作業員が普通に携帯電話で楽しそうに写メってる。深夜も昼も、とにかく絵になるからジャーナリスト、カメラマンは公式に来てバンバン撮ればいいのにと思う。働く人の顔とか高解像度でコントラスト強めでかっこいい写真が撮れると思う。このときは東電、政府が1FはおろかJヴィレッジさえメディア取材を全てシャットアウトしていたと知らなかった。
建屋内で作業されているという建設会社系の協力会社の方々が免震棟に帰ってくる。活き活きした顔というか、ノリノリのテンションの人が多い。若い人が多く、我先にサーベイを終えて休憩室に戻ろうとドタドタドタっと競い合う。中学のプールの授業後の、更衣室一番乗り教室一番乗りを競い合うアレだと思った。子供っぽくはあるが、働く男のさわやかさも感じる。
昼間の社長の話を思い出す。ゼネコンや建築会社の下請け作業員の中には半分騙されて来て日当数千円で高線量被ばくするという人がいるとのこと。面接に来ていた人もこれまで面接で3社くらいそういう会社にあたった言っていた。
「けどな、高線量の瓦礫はそうやって引っ張られてきた人に作業してもらわないとどうしようもないで。そういう人らのおかげで何とかなっとるんや」と。(この話にどこまで信憑性があるのか判断は難しいとも後日思ったが、このときはそういうもんだと思ってた)
普段反社会的とされる日本の黒い部分に原発事故の収束がかかっている、という話はすごい。もともと社会の様々な部分で、ブラックなものがクリーンなものを支えているらしい。
東京電力は7月に暴力団排除とか宣言してたけど、実際免震棟で普段なかなかお目にかかれない刺青の方を見るとなあ。免震棟に帰って来てサーベイを受ける作業員は、どんな人でも一様に指定の下着姿になり、帰って来られた安堵と放射性物質が付着していないかという不安とが入り混じった顔をしているように見える。
Youtubeやツイッター、2ちゃんねるに「感謝しています」「私たちの誇り」とか書く人たち、または小学生に原発作業員への応援メッセージを寄せ書きさせる教師はその辺どう認識しているのだろうか? わかりやすい美談にして複雑な事情がわからなくなって良いのかという気持ちが強くなる。
被ばく量0.14mSv
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プロフィール
HN:
竹内公太
性別:
男性
自己紹介:
元作業員の視点から何か有意義な記事が書けないだろうかと思い、東京電力さんの記者会見にときどき参加しています。(働いたのは8月の短い間だけです 免震棟の出入り管理で、比較的被曝量の少ない、後方支援のような仕事です 現場で今も高線量被曝しながら懸命に作業されている方々に最大限の敬意を持って、記事を書きたいと思います。
ライター経験は無いので読みづらい点もあるかと思いますが宜しくお願いします。
ライター経験は無いので読みづらい点もあるかと思いますが宜しくお願いします。
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